この記事では、“香り”と”におい”の違いや、香りの表現の種類などについてわかりやすく解説します。
コーヒー・オレンジ・バラ・・・それぞれ全く違う”におい”がするよね。
そういえば、そもそも”におい”って何なんだろう?
”におい”は”香り”とも言うけど、何か違いがあるのかな?
そんな疑問に香料メーカーで研究をしていたkaoriがお答えします。
私たちは生活の中でさまざまな”におい”と接しています。
しかし、四六時中”におい”を意識しているわけではありません。
一方で、”におい”を意識せざるを得ないタイミングもありますよね?
例えば
- 自分にとって好ましい”におい”を感じた時
- くさーい”におい”をかいでしまった時
などです。
さて、”におい”とはいったい何なのでしょうか?
また、”におい”のことを”香り”と言うこともありますが、どのような言葉の違いがあるご存知でしょうか。
答えを先に言ってしまうと
- 人にとって心地よい”におい”を香り
- 人にとって不快な”におい”を臭い
と言います。
本記事を読むことで、”におい”について理解でき、”におい”と”香り”の違いについてもわかるようになります。
ぜひ最後までお読みくださいね!
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香りとは良いにおいのこと
香りとは、人を心地良い気分にさせてくれる”におい”のことです。
私たちは日ごろから、”におい”と接していますが、必ずしも”におい”を意識して生活しているわけではありません。
しかし、”におい”を強く意識してしまうこともあります。
例えば、散歩中に通りかかったパン屋から漂う香ばしい”におい”を嗅いだ時。
食欲をそそる”におい”に、思わずおなかが鳴ってしまうかもしれませんね。
ふとすれちがった人から清潔感ある石鹸の”におい”がすると、ホッとするという人も多いかもしれません。
正確に定義づけされているわけではありません。
しかし、”香り”という言葉にマイナスのイメージを持つ人は少ないです。
不快なにおいは”臭い”と表現する
一方、漂白剤の”におい”はどうでしょう?
もし、漂白剤特有の塩素系の”におい”が充満した部屋に閉じ込められたとしたら・・・
考えるだけでもおぞましいですね・・・。
このように、人に対して不快な気分にさせる”におい”を”臭い”と言います。
なんとなく、言葉の響きや漢字の意味から”香り”に比べて”臭い”の方がイヤなイメージを持ちやすいのではないでしょうか?
”におい”には様々な表現がある
”におい”と一口で言っても、いろいろな表現があります。
”におい”と言ってしまうと、悪いにおいの意味を持つ”臭い”を連想してしまうことがあります。
そのため、一般的には良い”におい”のことを”香り”と表現することで、ポジティブな印象を持たせる傾向があります。
さて、日本語には「かおる」と読む漢字が4つあります(他にもあったらぜひ教えてください。)
「香・薫・芳・馨」ですが、これらの意味を答えられますか?
さっそく言葉の意味を見てみましょう!
日本語の「かおる(香・薫・芳・馨)」は、それぞれ意味合いが異なる
日本語には「かおる」という表現が複数あります。
これらの漢字はそれぞれ意味合いが異なり、古くから日本人は使い分けてきました。
香
香の語源は、穀物の黍を茹でた時の甘い香りです。
良いにおいを漂わせるものに対して使う言葉です。
例)香料、香水、線香
薫
薫の語源は、袋に入れた香草を火で焚いた様子を表した象形文字です。
燻すことで良いにおいがモクモクと立ち込める状態に対して使う言葉です。
例)薫香、薫風
芳
芳は、花や春を形容する言葉として用いられます。
主に四方に広がる草花の良いにおいを表します。
例)芳香、芳醇
馨
馨は澄みきったにおいを表現するのに使われます。
良いにおいが広がる状態を表しますよ。
例)馨香
良いにおいは”香り”、悪いにおいは”臭い”
良いにおいは”香り”、悪い”におい”は”臭い”と表現することを説明しました。
つづいて”香り”と”臭い”の表現の例を見てみましょう!
香りの表現の例
香りの表現の例はたくさんあります。
- 甘い
- 華やか
- 優雅な
- フローラル
- ナチュラルな
- エキゾチックな etc…
何となく、どの言葉も良い印象を持つのではないでしょうか?
もちろん、ここに挙げた言葉以外にも多くの表現方法があります。
正直ここでは書ききれません・・・。
基本的には、ポジティブな印象(少なくともネガティブな印象が無い)を与える表現が使われます。
臭いの表現の例
臭いの表現の例も見てみましょう。
- アンモニアのような
- 腐ったような
- 硫黄臭
- 糞臭
・・・なんか書いててイヤになってきました😢
実際に、単体の化合物で”とんでもなく”臭いものは数多くあります。
しかし、それらは全く利用価値のない”におい”なのでしょうか?
答えはNoです。
単体ではイヤな臭いがする成分も、”ほんの少量”だけ香料として加えることで、果物の熟した”リアル感”だったり、”コク感”を増強したりできるんです。
臭いタオルなどから検出される”4M3H”という化合物は、”雑巾臭”として忌み嫌われています。
しかし、4M3Hは柚子やコーヒーの”におい成分”としても報告されているんです!
くわしくは「タオルが臭い!何度洗っても臭くなる原因と簡単に臭いを取る方法」の記事内でも解説しているので、興味があれば読んでみてください。
ほかにも、ガス漏れ検知用にジメチルサルファイド(含硫黄系化合物)などを利用することがあります(あれも香料です。)。
どことなくツンとする臭いを嗅いで「あ、ガスが漏れている!」と慌てた経験をしたことがある人も多いでしょう。
本来ガスは匂いがしませんが、気付かないうちに部屋にガスが充満したら…さあ大変。
ちょっとした火元でもあれば、ドカンと大爆発です。
それを防ぐために、あえて危険を知らせるサインとして、少しイヤな臭いを混ぜているんですね。
というわけで、単体では悪い香りだとしても、色々と有効活用しているんです。おもしろいですよね。
まとめ:香りの表現の微妙な違いを知っておこう!
この記事のまとめです。
- 香りは良い”におい”、臭いは悪い”におい”について使われる言葉
- “かおる”は「香・薫・芳・馨」の4種類の漢字があり、それぞれ意味が異なる
- “におい”には様々な表現方法がある
”におい”について少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです!
”におい”をもう少し化学的に理解したいという方は、「【なるほど!】においの正体を化学的に理解する」をぜひお読みください。
においは化学です(キリッ✨)
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