春先から初夏にかけて紫の大きな花房が美しく垂れ咲く、藤。その気品ある佇まいは古くから日本人に親しまれ、様々な伝統芸能の中で描かれてきました。
今回レビューする「藤かほり」は、静岡県磐田市の行興寺にある天然記念物「熊野の長藤」から着想を得た香水です。
その背景には、能を代表する演目のひとつ「熊野(ゆや)」があり、平安時代から変わらぬ気品を纏う、甘く柔らかな藤の花の香りを再現しています。
世界で活躍する調香師、新間美也さんの手によって仕立てられたこの香水。
日本古来の花木である「藤」の上品さや美しさが、ふんだんに詰め込まれています。
実際に購入して試したので、ぜひ参考にしてください。
ふるさと納税の枠が余っていたら返礼品として手に入れられますよ♪
藤かほり オードトワレとは
おすすめ度 | |
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種類 | オードトワレ(EDT) |
調香師 | 新間美也 |
性別 | 女性・(男性) |
持続時間 | 3~4時間 |
香りのタイプ | フローラル |
おすすめシーン | 日常使い オフィス デート |
おすすめな人 | 柔らかい甘さが好き 上品な雰囲気を纏いたい 和テイストな香りが好み |
価格(税込)/容量 | 2,530円/15ml (価格・容量は2023/11/29時点) |
「藤かほり オードトワレ」は、静岡県磐田市の行興寺境内にある「熊野の長藤」から着想を得て生まれた香水です。能を代表する演目のひとつ「熊野(ゆや)」の主人公 熊野御前が植えたと伝わる「熊野の長藤」は、樹齢約800年以上と推定される天然記念物。そして熊野御前は平安時代に磐田市の池田の地に生まれ、平宗盛に見染められて都へと上った女性です。
故郷への想いを募らせる熊野御前がこよなく愛した藤の花。平安時代から息づく、その気品溢れる佇まいと香りを香水として現代に蘇らせたのが「藤かほり」です。
創香を手がけたのは、静岡県出身でパリを拠点に活躍する調香師 新間美也さん。日本の香り文化に由来する香水を数多く手がけている彼女が、「磐田市香りの博物館」から依頼を受け調香しました。新間さんが生み出す香りは、日本ならではの香料と世界中から集められた選りすぐりの香料を用いて仕立てられるのが特徴。藤かほりの成分は公表されていませんが、その香りは上質な甘さと柔らかさを醸し出しています。
時を超えて届けられる藤の気品を、この香水を通して感じられることでしょう。
藤かほり オードトワレをレビュー
それでは、藤かほり オードトワレを紹介します。
外装(外箱)
パッケージには桐の箱が用いられています。蓋には筆書体で書かれた「藤かほり」の名前が淑やかにあしらわれており、その横に藤の花弁を思わせる模様が描かれています。
ボトルデザイン
透明なボトルのため、藤の花らしい紫の香水の色が綺麗に透けて見えるデザイン。小ぶりの丸いボトルが慎ましく佇みます。スプレーヘッドは長めのものが用いられているため、使用時もプッシュしやすい作りです。
箱でもiPhone5sより小さいくらいのサイズ感です。
手のひらサイズなので持ち運びに便利ですよ。
藤かほり オードトワレはどんな香り?
「藤かほり オードトワレ」は、静岡県磐田市の行興寺境内にある「熊野の長藤」をイメージした香り。平安時代から多くの人に親しまれ、優しく甘い香りを800年以上届けてきた、藤の花への想いが詰め込まれた香水です。
一般的に藤の花はパウダリーで爽やかな甘さを放ちます。この藤かほりの香料は公にされていませんが、吹きたてはみずみずしく爽やかな甘さを漂わせ、徐々にスミレにも似たパウダリーなフローラルノートが広がります。ラストはムスクのような清潔感のある甘さが全体を包み込み、柔らかいまとまりに。
日本の代表的な花木である藤の魅力が、全体を通して表現されています。
調香を手がけた新間美也さんは、これまでも日本の香り文化に由来したさまざまな香水を生み出していて、その作品は世界中のメディアでも取り上げられています。
そんな新間さんの手によって仕立てられた”藤かほり”からは、麗しさや気品、そして日本人の琴線に触れる藤の花の雅な芳香を感じられます。
香りの持続時間はどれくらい?
オードトワレのため、持続時間は3〜4時間ほどです。
全体を通して藤の花らしいパウダリーなフローラルノートが広がるため、しっかりと香りを楽しめるでしょう。
ラストはムスクのような柔らかい甘さが全体を包み、心地よい残り香を感じられます。
寝香水としても使いやすいですよ♪
※あなたの体温や肌質によっても変わるので、参考程度にしてください。
藤かほり オードトワレの口コミ評判
藤かほり オードトワレの口コミ評判を紹介します。
それぞれ解説します。
良い口コミ
良い口コミはつぎのとおり。
それぞれ解説します。
雨の日に映える
「雨の日に映える」という口コミがありました。
通院帰りに見つけた藤棚。ええ匂いする〜・:*:・(*´エ`*)ウットリ・:*:・
— 珊瑚 (@nyan_nyan5656) April 15, 2023
帰宅してから新間美也氏調香の藤かほりを。この香り、雨の日に映える。瑞々しく、ほのかにグリーンも感じる藤の花。 pic.twitter.com/bq1sbHt3UB
こちらの方はほのかにグリーンな香調を感じられたようです。雨の湿った空気と、藤かほりのみずみずしさは相性が良いようですね。フローラルノートではありますが、爽やかさがあることで重さを感じない使いやすい香り立ちとなっているのかもしれません。
調香師の想いが伝わる良い香り
「調香師の想いが伝わる良い香り」という口コミがありました。
個人的には、藤というとジャスミンや薔薇、アイリスや菫のような強いフローラル調なイメージです。精油はあまり見たことがありません。
— すずきちえこ『もふもふ植物園』 (@mofushoku) March 13, 2020
合成香料の香水ではダントツに良い香りと感じたのがこちら。静岡県香りの博物館で販売されている「藤かほり」です。調香師さんの想いやイメージが伝わってきます。 pic.twitter.com/LTc0SKB5HS
日本の香り文化に由来した香水を作ることに長けている、新間美也さんが手がけた藤かほり。その着想の源は推定樹齢800年以上の「熊野の長藤」であり、さらにその背景には能「熊野(ゆや)」があります。平安時代から現代へ届く「熊野の長藤」にまつわるストーリーと、古来から親しまれてきた藤の花への想いが、この香水には詰め込まれているのでしょう。
淑やかだけど芯がある、麗しい藤の香り
「淑やかだけど芯がある、麗しい藤の香り」という口コミがありました。
藤かほり、佇まい麗しい一本藤といった香りで大好きです。淑やかだけど芯がある、でも少し湿った雰囲気。
— 百代💐 (@wistaria_en) June 9, 2023
海外の香水で藤が入ってると爽やか華やかな印象があるのですが、こちらは薫風吹く五月の爽やかさと六月に向けての雨のしっとりさを感じるイメージ。長谷部推しの方にもぜひ。
長い年月を超えてきた「熊野の長藤」の、麗しく凛とした佇まいを想像させるのでしょう。初夏に合う爽やかさや、雨の日に馴染むしっとりとした香り立ちなど、自然に溶け込む藤の香りが再現されているようです。実物の藤の花の芳香が好きだという方も納得の香りかもしれませんね。
悪い口コミ
悪い口コミは、つぎのようなものがありました。
色が毒々しい…
「色が毒々しい…」という口コミがありました。
今日は「藤かほり」
— ふれぐらんこ (@fragranko) December 19, 2022
本当にいい香りなんだけど、色の毒々しさでやや損してそうな気がする
香水の液自体が藤の花特有の紫色となっているため、こちらの方は「色味が少し残念」と感じられたようです。実際の藤の花自体は淡い紫色ですが、香料などの影響で香水の色を花と同様にするのは難しいのでしょう。
藤かほり オードトワレが売ってる場所
「磐田市香りの博物館」オリジナルのオードトワレとして発売されたため、購入できる場所は限られています。
ECサイトでは、磐田市のふるさと納税返礼品として、楽天市場やYahoo!ショッピング、au payマーケットなどで購入することができます。
わたしは楽天ふるさと納税で返礼品としていただきました。
実店舗では、香りの博物館にあるミュージアムショップで購入できるので、行興寺にある「熊野の長藤」を見た後に店舗で購入するという方も多そうですね。
また、人気アニメの中で“鬼除け”として藤の花が登場したことから、藤かほりの認知度も高まったそう。
店舗では在庫切れになることもあるようなので、現地で購入したい人は公式サイトをチェックしてから足を運んだ方が良いと思います。
藤かほりオードトワレは「平安から現代へ、時を超えて紡ぐ藤の花の香り」
この記事では「藤かほり オードトワレ」を実際に試した感想と口コミ評判を紹介しました。
樹齢800年以上とされる「熊野の長藤」をもとにつくられた藤かほり。みずみずしく華やかな香調からは、歴史ある藤への敬意や親しみが感じられ、凛と佇む美しい姿が目に浮かびます。静岡県出身の新間美也さんによって手がけられたことからも、地元に咲き誇る藤への強い想いが感じられるこの香り。
平安時代から人々に愛され続けてきた藤の花の気品を、ぜひ一度纏ってみてください。